みどま通信

みどま通信 18年3月号より

前略 後略

 
ある日の午後の、店全体のミーティングの最後に、「次回のきもの通信の1ページ目は、店長にお願いします」のお言葉!ドヒャ!きたぞきたぞー。時々時間を見ては、次回の新聞に載せようと、原稿を何回分か書きためてはおいたんですが、こりゃ大変!やはりもう一度考えて書かなくちゃ!  
   

オカミサンの独り言

 
毎年1月の終わり頃になると、お手入れの部屋に、天井に付きそうな位の量のお手入れの箱が並びます。ほとんどのお客様が、みどまで着付けをさせていただいた方です。その箱をしみじみ眺めて、この方、満足していただけたかな、あの方はどうだったのかなと、想像にふけります。
お客様の中には、ここがこうだったよと、アドバイスをしていただける方や、帯結びがすごく良かったよ、とお褒めをくださる方もいらっしゃいます。自分の意にそぐわなくて、心の中で不満を抱いているお客様もいらっしゃることと、いつも心配しております。そういう時には、どうぞご遠慮なさらず私どもにお話下さい。それによって私たちも足りないところを補い、悪いところを直し、より良い店作り、より良いサービスを目指したいと思っております。また、喜んでいただけた時にも、私たちにお話下さい。これから努力する励みになります。
この世の中、最高にできて当たり前の風潮になってきていて、なかなかきびしいですね。みどまでできることは、心を込めて喜んでさせていただいております。
   

沖縄雑記

 
1月31日那覇空港着。みどま全員での研修旅行は、色んな知識を得ることが出来た。7軒ほど工房を見学したが、一番のすごさを感じたのは、大宣味村の喜如嘉で見た芭蕉布である。
「琉球の風にそよぐ蝉の羽衣」芭蕉布をぴたりと現した言葉だろう。南国の沖縄で、涼を求めてこの織物が生まれたことは納得だが、織りに入る前の糸作りの話を聞いただけで、これ程の辛い思いをして糸を作らなければならないのかと、まずため息。
人間国宝の平敏子さんが、糸を指で裂いたり、糸を紡いだり、自ら栽培する芭蕉畑を案内して下さった。もう80を越えておられるが、寸分の無駄も感じさせない締まった小さな身体で、しかもキビキビとした動作は、若者と変わらない。沖縄県民は、本質的に働くのが得意でないと言われるが、あれは全くの嘘か、少なくとも今回出会った人たちには当てはまらない。
工房の家々の庭には、私たちが一般に観葉植物と呼んでいるクロトンとかドラセナ等が庭木として植えられている。又、街路樹には、ブーゲンビリア、ガジュマロの大木が目立ち、紅型染料等に用いられる黄色染料の元となる福木も覚えました。
豊見城の川(堀?)では、マングローブの茂みを見つけ感激!! 最初は台風の増水で樹木が水没したのかなと思ったのだが、幾条も枝が水面へ垂れているのを見て、マングローブとわかった時のうれしさ――。ああ、遠くへ来たネ。
居酒屋ウリズンで飲んだ12年ものの泡盛の味。味もさることながら、注いだ琉球ガラスの味わい。線巻きグラスと呼ばれる同じ手吹きの品を、国際通りで見つけて買い求めました。それから島ラッキョウの旨かったこと。喜如嘉へ向かう58号線沿いの道の駅でワイワイ言いながら島ラッキョウも買いました。
道路の左側は東シナ海。もう少し北上すればそこはやんばると呼ばれる山林地帯で、もしかしたら、森の中を歩き回るヤンバルクイナや、沖縄の森の妖精キジムナーに出会えたかも知れません。
最初の夜、歩けば1キロもない距離をタクシー拾って運転手さんに悪かったね、と皆で話したんだけど、沖縄の人は、子どもから大人まで10メートルも歩かないということを帰ってから知り、遠慮することはなかったんだと・・・ほっ。
ついでに、2回目の夜の二次会。三線に合わせて阿波踊りとカッポレのごちゃまぜの様な妖しい踊りを踊りまくってきたが、店主が明け方3時迄頑張れと言ったのには驚き。11時でダウンでした。これも後から知ったのですが、沖縄では、10時頃が夜の始まりで、明け方3時は普通とか。所変われば常識も変わるもの。収穫の多い沖縄研修でした。 (田旗)
 
   

スタッフのつぶやき

 
こんにちは!「みどまの高橋です」こう言いながらお客様のところにうかがい続けて7年目になりました。振り返ってみて、いろんなことを勉強したなと感じています。着付け、きものの知識、お客様との会話など・・・でも、1番私にとっての財産となったのは、お客様のおかげで人間として成長させていただけたことです。
例えば言葉使いです。自分は何気なく言った一言が、思いも掛けず人を傷つけたりしてしまうことです。そこには細かな配慮と思いやりの気持ちが必要だということです。私はおおざっぱな性格で、それが欠けていました。ずいぶんご迷惑をおかけしたと思います。
それから、日本語には「ありがたい」といういい言葉があります。この言葉を心から思えるようになったこともそうです。お買い上げいただいたお客様、忙しいときに私の話を聞いてくれるお客様、時には私の悩みまで聞いてくれた方もいらっしゃいました。本当に助けていただきました。「ありがたい」という言葉を態度で現したいと思うと、お客様の手助けになることをしたいと自然に思うようになりました。この方のために何かしてあげたいと思うのです。
  まだまだ知らないことばかりで、いろんなこと質問したり、時には失礼なこと言ってしまう時があるかと思います。どうぞその時は、私に教えて下さいね。私は、お客様の得になるようなことをお伝えしていこうと思います。
  残念ながら、きものは忘れがちなものです。正直、私もみどまに入る前はそうでした。でも、私が紹介することで、一人でも二人でも多くの方に、きものっていいものだと見直して欲しいと思っています。
  もう一つ、日本語には「縁」といういい言葉があります。これもご縁だと思って、今後ともよろしくお願いします。(高橋)
 
   

チョット聞いてください!

 
 「みどまでは黒留袖のレンタルは、やっていますか?」こんなお電話をよく頂きます。おまかせ下さい!じつは、最近、レンタルの留袖の写真を撮り直したんですよ。お客様によりきれいな写真で選んで頂くためにです。全体柄、上前柄、そして今回の目玉は実際に留袖を着た姿も撮りました。モデルは内勤の澤野さんです。元モデルだったのかと思うくらい、少しひざを曲げて上手に着ていました。ただし!澤野さんごめんネ!!顔は写っていないんです。カメラマンは同じく内勤の伊藤です(え~、社長じゃないの?)
留袖は、全部で15柄もあるんですよ。どれもセンスのいい(ちょっとゴマスリました!)社長のお墨付き。見応えがあります。来店の折りには「レンタル留袖の写真見せて!」の声、待ってま~す。(伊藤圭子)
 
   

編集後記

 
 イヤーマイッタ、マイッタ。またまた久しぶりのきもの通信になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。「いつも楽しく読ませてもらっているよ」ご期待?の言葉に応えなければと、今回も出しました。皆に原稿を募って、私の文章はナシで、とても心配でした。(笑)
ところが、ところが、人は見かけによらないもの?田旗の沖縄雑記はまるでプロが書いたみたい(ヨイショ)ではなかったですか。次回は俺も書くぞー(誰も期待してないかッ?)次回の発行は、未定です。それではまた。(K.N.)
 
  2006.11.17